今回は訪問マッサージ・訪問鍼灸を行ううえで必要な資金およびツール一式について解説していきます。
ツールは開業届を出してからそろえてもいいのですが、オススメなのは開業届を出す前にそろえてしまうこと。
理由としては税金に関することです。
開業届を出す前に事業に関する費用は「開業費」として資産計上できるのですが、その「開業費」は黒字になった好きな年に一括償却することができます。
なんのこっちゃと思うかもしれませんが、簡単にいうと、
「ヤバい!訪問マッサージを開業して5年目にして黒字額が過去最大だ!めっちゃ嬉しいけど税金の金額もやべー!!あ、そういえば開業費を資産計上してた!それを一括経費計上して黒字額を圧縮だ!」
というのができます。
まぁ訪問マッサージはしっかり行動すれば1年もあれば十分軌道にのるので、どちらでもいいのですが経営者としては覚えておきましょう。
開業資金についてですが、事業行ううえで必要なツールを説明しながら、「何がいくらかかるのか?」を同時に解説していきますね。
車orバイク、はたまた自転車!?
訪問マッサージ・訪問鍼灸は文字通り訪問するお仕事ですので、移動するための足が必要となります。
開業で一番お金がかかるのがコレだと思いますが、すでに車やバイクをお持ちの方はそれをそのまま仕事に使えばいいと思います。
私は開業当時、うるさいスポーツカーだったので、さすがにそれで往診するわけにもいかず軽自動車を買いました。お値段は45万円でしたね。
田舎で開業するかたは車のほうが速くて快適ですし、物も詰めるのでオススメ。
しかし人口が多い都心部で開業するかたは、バイクのほうが小回りが利いて渋滞でもすり抜けができるのでバイクがいいですね。
バイクはお金をかけないならば安い原付を10万程度で買えばいいと思います。
が、少しお金を出せるならピザ屋の配達でも使っているジャイロと呼ばれるバイクでもいいですね!
余談ですが、あまりにケチって自転車でまわるという人もいますが、さすがに半端ない体力が奪われるのでやめたほうがいいです。
免停をくらったわけではない限り、車かバイクにしましょう。
電話回線およびネット回線
以下のほうで解説していくホームページであったり、固定電話であったり、FAXだったりを使用するためには、
自宅に電話回線とネット回線を開通させる必要があります。
電話回線とネット回線はどちらも同時に開通することができます。
だいたい両方一緒にセットで開通したほうが少しお安くなります。
メジャー所でいうと以下の3つ
使ってるスマホがauの人はauひかりがお得
ドコモを使ってる人はドコモ光がお得
ソフトバンクを使っている人はソフバン光がお得
一般的なNTTのやつ
インターネットの速度を気にする方はNURO光!
電話回線はおおむね月額1500円
ネット回線はおおむね月額4000円
開通の工事費はおおむね15000円といったところです。
キャンペーンで無料になることもよくあるので、開業を考えている人はこまめにチェックしておくといいですね!
ボイスワープ(転送設定)を忘れずに!
以下のほうで固定電話はあったほうがいいという話をしているのですが、そもそも訪問業なので自宅にいませんよね。
なので自宅の固定電話にかかってきた電話を携帯電話に転送させる設定を忘れずにしましょう。
転送設定は月額500円程度ですね
ホームページ(HP)
続いてホームページ(HP)です。
このご時世にもかかわらず鍼灸院でHPがないところがありますが、HPがないなんて怪しい印象しかもちません。
HPは訪問業を行う我々からすれば看板です!必ずHPを用意しましょう。
別の記事でも紹介しましたが、いまや高クウォリティなHPがたったの5,000円でもできてしまう時代です。
ココナラというサイトで気軽に発注できます
ホームページというのはデザインだったりSEO対策(検索順位を上げる方策)をつきつめていくと値段はそこそこ張るようにはなりますが、はじめのうちは気にしなくてOK!
まぁ5,000円は基本料金なのでHPのトップ画にくるロゴ作成や画像作成、
基本SEO対策などをやってもらったとしても、だいたい15,000円~20,000円くらいでできますね。
ドメイン代とサーバー代
ドメインというのは、簡単にいえばホームページのURLのことです。
ここのホームページのURLの
https://houmon-massage-kaigyou.com
赤色部分がドメインと呼ばれる部分です。
ドメインは自由に決められ、年間1,000円程度。
続いてサーバー代ですが、サーバーというのは、作ったホームページをネット上に載せるためのもので、年間12,000円ぐらいですね。
パソコン
ホームページを作る以前にパソコンはもっておきましょう。
すでにパソコンはお持ちだと思うのですが、理想なのは持ち歩きができるノートPCですね。
患者さんの領収書や施術報告書やレセプトなどなど、パソコンを使う機会はとても多く出先でも持ち運びが楽なノートPCは必須ですね。
ちなみに私はサーフェスプロを使ってます。
資金に余裕があるなら仕事用に一台用意してもいいかもしれませんね!
ノートPCもスペックによって値段はさまざまですが、13万~15万くらいですね。
スキャナー機能付きプリンター
パソコンと同様にプリンターも必須です。
あればスキャナー機能付きのほうがいいですね。
ちなみに私は次の「FAX付き固定電話」で載せてますが、エプソンのFAX機能付きの複合機を利用しています。
FAX機能と電話とコピー機とスキャナー機能を兼ね備えているので便利ですよ。
Fax付き固定電話
続いて固定電話ですが、これは必ずしも必須とはいいませんがあったほうがいいです。
例え「出張専門」とHPに表示していても、見る側はそこまで注意深く見ていないので、勝手に治療院という店舗があるものと想像します
そのため店舗であるはずなのに問い合わせ先が携帯電話番号というのは一般的にはやや不安感がありますよね
HPから集客できない人はこういった小さなところで顧客を落としているのでもったいないですね。。
また個人事業主から法人(会社)に変更する際も固定電話がないと銀行口座が開設できないケースなどありますので、固定電話はもっておきましょう。
ちなみに私はエプソンのやつ使ってます。
エコタンク機能がすさまじくお得でビックリしました。あ、買うときはちゃんと最新機種がでてないか調べてくださいね!
ちなみにこのエプソンのやつはスキャナー機能などもついているのですが、お値段は5万円くらいです。
ネットでFax
今回はファックス機能付きの固定電話を紹介しましたが、世の中にはネットFAXなるものがあります。
ネットFAXというのは、文字通りネット環境があるところであればスマートフォンでFAXの送受信ができてしまうというものです。
介護の業界ではFAXはバリバリの現役ですので、このネットFAXはおすすめです!
ファックス付きの固定電話ではなく、固定電話はふつうのやっすいものにして、
FAXはこのネットFAXを利用するという人も同業者には多いですね!
フリーダイヤルは必要か?
これもよく聞かれるのですが、フリーダイヤルに関してはいらないと個人的には思っています。
ここらへんは業界色で考えるとわかりやすいですが、
ほとんどの介護事業所はフリーダイヤルを導入していないところが多いです。また鍼灸整骨院も同じですよね
スマートフォン(携帯電話)
スマホ(携帯電話)に関してはおそらくみなさん持ってるはずなので、それを仕事用として使っても全然OKです
そのほうが節約にはなります。
自分はいまだにプライベートと仕事用は一緒のスマホです。
ただ仕事用とプライベート用はきっちり分けたいという方もいると思うので、それはそれで良いと思います
ただ電話はめっっっちゃ使うので電話かけ放題プランにしておくことをおすすめします。
賠償保険
ここでいう賠償保険というのは、車で事故を起こしたときの保険はもちろんそうなのですが、
もう一つは医療事故をおこした時の賠償保険です。
高齢者のかたを相手にしていますので、もし転倒を起こしたらそのまま頭をガーンとぶつけてお亡くなりになってしまうケースもあります
賠償保険はだいたい卒業した鍼灸あん摩の学校で団体加入することができます。
もしご自身の学校で団体加入ができなかったかたは以下
賠償保険は加入するプランによって料金は変わりますが、おおむね月額1,000円程度と思っておけば間違いないですね
名刺
名刺はビジネスを行う者としては超絶必須ツールですね!
しかも初対面の相手に渡すわけですから、印象に残る名刺を渡したいですね。
名刺を作るうえでの注意点として
・電話番号は大きく表示
・所持資格の羅列とかいらない
の3つですね。
イラストで顔がわかるようにしている人もいますが、笑顔の顔写真のほうが印象に残りやすいので、表面には顔写真
イラストを使うとしてもそれは裏面ですね。
そのため電話番号を大きく表示しておくことで一瞬で理解できるためストレスがなく印象が良いです。
これは脳科学で実証済みです。
あと所持資格ですが、よくあれこれ羅列している人がいますが、営業的にはまったくもってつまらないです。
ちなみに私は資格は書かずに、「ラーメン愛好家」という肩書を書いていました(笑)
ラーメン好きな人は多かったので、おかげで初対面にもかかわらずかなり打ち解けた会話ができました。
(最近は胃がもたれるのでラーメンをあまり食べなくなったため変更しました(笑))
ちょっと話がそれました。
お手頃に名刺をそろえるならば、まずはココナラでデザインを1000円程度でしてもらいましょう。
その次にラクスルでお安く印刷です
ラクスルは本当に安くて100部印刷で500円以下です。
ラクスルは名刺にしてもパンフにしても印刷に関しては一番安くできるので、今後も多様することが多いと思うので覚えておきましょう。
パンフレット
↑ちょっといい画像が見当たらなかったのですが、パンフレットは普通の三つ折りパンフレットのことです。
事業所によってはA4の二つ折りパンフレットだったり、さまざまなのですが正直どれでもいいと思います。
ちなみに私は開業初期はパンフレットを使っていましたが、今となっては使ってません。
開業初期はケアマネさんと会いに行く理由がないので、みなさんはパンフを必ず作っておきましょう。
パンフレットも名刺のところで書いた方法で、ココナラで安くデザインしてもらい、ラクスルで印刷しましょう。
トータルで2万程度でできるはずです。
手ぬぐいと鍼灸道具
マッサージで使用する手ぬぐいは100均で売ってますね。
人によっては肌触りのよい少しお高めのタオルを使用している人もいますが、そこは好きに使いましょう。
鍼灸道具ですが、持っておいた方がいいのはローラー鍼やてい鍼と電子温熱灸といった、刺さない鍼や火をつかわないお灸です。
そのため基本的には手技によるマッサージとローラー鍼による施術を行うことがほとんどです。
ローラー鍼であればピンキリですが安いもので約1,500円ぐらい。電子温熱灸は安いものなら12,000円程度で買えますね。
アンケート
アンケートですが、これはお金はかかりません。ご自身のパソコンで作成できるものです。
ちなみにアンケートの内容は
・訪問マッサージを知っているか
・訪問マッサージを利用したことあるか
・訪問リハビリとの違いは知っているか
・対象者の要介護度はいくつぐらいか
・リハビリでお悩みはあるか
etc…
などなど。
ここから話が広がって「あ、そういえばこんな利用者さんいたから声かけとくわね!」となることもあります。
患者さまの声
患者さんに施術を受けてもらった感想をいただきましょう。
それをホームページだったりパンフレットに利用します。
いかに出来栄えのいいホームページやパンフレットを作っても、それを見た人は「本当かな?」とまず疑問をもちます。
そのため、患者さんとのツーショット写真と施術を受けた感想を集めておきましょう。
ただ開業しないと患者さんの声を集めることはできないよ、と思ってるあなた。
開業前でも患者さんの声は集められます。
ご自身の親や祖父母、親戚に協力してもらえばいいのです。
施術をタダでしてあげて、その御礼変わりに患者さんの声をツーショット写真と一緒に書いてもらいましょう。
ハガキ
最後はハガキです。
何に使うのかというと基本はお礼状として使います。
・名刺交換をしてもらった
・患者さんを紹介してくれた
・担当者会議に呼んでくれた
・飲み会に呼んでくれた
・イベントに誘ってくれた
etc…
詳しくは営業編で説明しますが、ただでさえ忙しいケアマネさんの貴重なお時間をいただいているのですから、その御礼をするのは当然のこと。
ハガキはめっちゃ使いますので、たくさん買っておきましょう。300枚買ったら18,600円ですね。
余談:鍼灸のみ師の治療院名称
鍼灸のみ師のかたですと「訪問鍼灸○○院」という名称でHPや名刺を作っているかたが多いのですが、
この名称についてはちょっと考えたほうがいいです。
鍼灸のみ師のケアマネ営業法の記事でも書きますが、「鍼灸」というのはあまりイメージがよくないです
そのため成功している鍼灸のみ師の中には
- 訪問リハビリケアセンター○○
- 訪問リハビリはりきゅう○○
- 訪問リハケア○○
- 訪問治療院○○堂
- ○○治療院
- etc…
といった感じで「鍼灸」というのを隠しています。
営業をする以上、イメージ商売ですので鍼灸師というプライドは捨てて上記のような名称にしましょう
もちろん決断するのはあなたです。
総括・まとめ
いかがでしたでしょうか。
上記のものをまとめてみます。
開業資金
中古車:約50万
電話ネット回線:月6000円
ホームページ:20000円
サーバードメイン:月1100円
パソコン:15万
FAX固定電話:5万
賠償保険:月1000円
名刺:1500円
パンフレット:2万
鍼灸道具:13500円
ハガキ:18600円
ーーーーーーーーーー
計:781,700円
こうしてみると結構かかる印象ですが、中古車がなければ開業資金は約28万円あれば大丈夫そうですね。
また固定電話もはじめのうちは無しでスマホだけにすれば、さらに安くなります。
整骨院や訪問看護ステーションの平均開業資金が1000万円かかるのと比べれば、めちゃめちゃ安いわけですから、また事業開始後の経費もほとんどかかりません。
なので初めは投資だと思ってケチらずにいきましょう!
ここまでなにかわからないこと
不安なことがありましたら
いつでも以下のコメント欄か
お問い合わせから相談して下さい
最後までお読みいただき、
ありがとうございます(^^)
ご質問・ご感想
初めまして。
私、橋本裕也と申します。あんまマッサージ指圧師で、現在千葉県在住で整形外科クリニックに勤務しています。
いつも、こちらのホームページで訪問マッサージの事を勉強させて頂いております。ありがとうございます。
今後、訪問で開業をしたいと考えているのですが、現時点でからも何か行動を起こしたいと考え、週1回の副業として訪問を開業し始めようと思ったのですが、いかがかなと思いご相談のコメントを上げさせて頂きました。
ちなみに、本格的には1年後くらいに始めようと考えおります。
何かアドバイスなどありましたら宜しくお願致します。
コメントありがとうございます!
管理人のはりすけです。
副業で初めるのは良いと思いますよ(^^)
訪問マッサージは営業を始めてもすぐに患者を獲得できるわけでなく、数カ月程度は期間を要します。
そのため週1回や2回でも営業に時間を掛けることができれば、来年本格的に開業したあとも事業運営がスムーズに行えると思います。
ただ理想としては週3回程度、最低でも週2回は営業にかける時間があるといいですね。
どうしてもケアマネさんは忙しいので、なかなか継続して接触していくのも難しいです。営業にかける時間がないなら尚更です。
しかしそれでもしないよりはした方が圧倒的に良いので、営業周りができるといいですね。
あと開業場所を選べるのであれば、まず開業予定地のリサーチから始めるといいです。少なくとも同意書がスムーズに出ないと厳しいので、同意書が問題なく出るかどうかを確認してから営業を始めましょう。
まずは開業前ご挨拶という形で営業周りを始めるのもいいですね。
あと営業にかけられる時間が少ないのであれば、積極的に地域の勉強会に参加しておきましょう。
勉強会は比較的夜の時間や土日に行われるので参加しやすいと思います。
勉強会にはケアマネさんはもちろんお医者様や地域の有力者も集まります。
そこで顔を広げておけばバッチリです!
少し長くなってしまいましたが、また営業のことなどご不明点ありましたらいつでも聞いてくださいね!
管理人はりすけより
はりすけさまいつもお世話になっております。いつもサイトをみて勉強させていただいております。本当にありがとうございます。
質問ですが、出張届で開業する場合の屋号、名刺やパンフレット、ホームページに載せる場合は〜院と表記してもいいのでしょうか?
それとも、訪問ケアセンター○○のように表記してもいいですか?
教えてください。
コメントありがとうございます!
管理人のはりすけです。
はい、出張届の場合は保健所に施術所名の届け出を行いませんので極端な話、なんでも構いません。
ただある程度は広告規制に則った屋号が望ましいとは思います。
例えば最近では「治療院」という名称は保健所では受け付けないようになっています。とはいえ治療院という名称を使っている治療院さんも多いのでそこまで深く考えなくても良いかもしれませんね。
出張届の場合、さきほども言った通り保健所へは施術所名の届け出はしませんからそこは自由に付けていただいて大丈夫ですし、逆に言えば自由に変えられるのもメリットです。
そのためメインとなるキーワードだけはぶれないようにすれば良いと思います。
例えば「あいのて(愛の手)」というメインキーワードがあったとして、
「あいのて治療院」でも良いですし、新しくパンフ作り直すときには「訪問ケアセンターあいのて」で周知してもいいでしょうし。
おそらく柳生さんはこれから開業や営業の段階だと思いますが、営業しているとだんだんと営業に行く理由が少なくなってきます。
そのため定期的にパンフを作り直したりして営業したりするのでその段階で名称は変えても構いません。もちろん変えなくてもOKです。
まぁそこまで名称はこだわらなくても大丈夫ですよ。
名称で集客率は変わりませんので。
〇〇鍼灸院というありきたりな名称でも大人気治療院はありますし、結局のところ人間性が見られますので。